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木造専門構造設計事務所
三次元立体解析へのこだわり
きいぷらんでは建物を安全に構造計算をすると共にデザインを意匠設計者様と一緒に追求しています。
その為に他社では出来ない、きいぷらん独自のこだわりを持って設計をしています。
ここではその一部を紹介しています。
三次元立体解析とは
まず、二次元設計とは奥行きを考えない平面的なモデルにて検討する方法です。
一般的には二級建築士の試験で出題される様な梁の公式を使って手計算に近い方法で検討する方法です。
木造の構造設計は二次元設計が大半で木造の許容応力度の大著、グレー本(木造軸組工法住宅の許容応力度設計)がこの二次元設計を前提として記されています。
二次元解析は複雑な形状を計算することが苦手で段差形状や吹き抜け、登り梁、斜め壁などに対応しておらず、計算出来る範囲が限られています。
これに対し、三次元立体解析は変形量と応力を実情に応じて詳細に計算する物で主にトラスやシェル構造など複雑な形状の物を計算することに使われています。
複雑なことが出来る反面、扱いが複雑で専門性が必要であり、構造設計に精通している者が取り扱う必要があります。
三次元立体解析を使った全部材検討へのこだわり
三次元立体解析といえど一般的には計算の難しい所を部分的に検討の為に使用することがほとんどです。
例えばトラスの計算や門型ラーメンの計算、方杖の計算だけなど
しかし、きいぷらんでは構造部材の全部を三次元モデルに置き換え、全部材検討のこだわりを持って設計を行っています。
そうすることで様々な建物形状へ柔軟に対応させて頂いています。
参考に三次元構造モデル設計例を見て下さい。
また建物の形状をそのままで計算することで隠れた力の偏りや局部的な力の集中を見つけ二次元解析では想定外になることを想定内にし、安全な検討をしています。
ほぞ欠損へのこだわり
木造の継手や仕口はプレカットや大工刻みを行うことで木材に欠損が生じます。
欠損によるの性能低下は構造設計において重要な事で上からほぞが彫られている場合、最悪元の断面より16%程!にも性能低下を起こす場合があります。
また市販の三次元立体解析ソフトは2019年4月現時点では欠損の検討に対応しておらず(きいぷらん調べ)、ほぞ欠損の検討は構造設計者に任されています。
つまりほぞ欠損の検討は三次元立体解析を行うこと自体よりも『その先』の検討が重要になって来ます。
きいぷらんではオリジナルの自社プログラムstanplotを使用することで横から蟻掛け、上からほぞが来る、など場所場所によって適切にほぞ欠損を評価し安全を確かめています。
N値計算へのこだわり
もし三次元立体解析で許容応力度設計を行ったとしてもN値計算は必須です。
これは終局状態において筋交いよりも柱の金物が先行破壊しないことを目的にした物でグレー本及び建築物の構造関係技術基準解説書(いわゆる黄色本)にもN値計算をして確かめることが示されています。
等級3で許容応力度設計をする場合も同様に省略が出来ません。
(黄色本ではN値計算を省略する場合は終局状態を確かめることと示されています。つまりN値計算に変わる終局状態を確かめる計算が別途必要になります。)
N値計算は必須の物ですがこれも市販の三次元解析のソフトでは自動で計算しない為、別途手計算で確認する必要があります。
きいぷらんではオリジナルの自社プログラムstanplotを使用することでN値計算にも対応しています。
一級建築士の懲戒ではN値計算の計算が行われていないことで処分、免許剥奪の対象となっていますので重要事項であり、こだわりの一つで検討を行っています。
床の剛性へのこだわり
一般的な二次元解析では地震や風に対し、床全体が一緒になって動く物として計算を行います。
これに対し三次元立体解析ではそれぞれの断面が剛性を持って実際に近い形で変形量と梁の引っ張りの力を詳細に計算できます。
床は耐力が持っていたとしても空間が大きくなってしまうと思いもよらない変形が起こることがあります。
また床ごとに剛性を評価することで力の流れが適切に計算出来、吹き抜けやL時平面のグレー本の適用を外れたダイナミックな設計が可能となっています。
きいぷらんでは床の剛性を適切に評価し、有害な変形が起こならい様に床にもこだわりを持って計算しています。
また折角三次元立体解析を行っているのに床の剛性を評価せず床を一体として計算してしまっている物が見受けられますが局部的な変形の確認や梁の引っ張りが計算で出なくなり、三次元立体解析で計算する意味がなくなりますので注意が必要です。